月給から基礎時給を求める計算
月給と月平均所定労働時間から、割増賃金の基礎となる1時間あたりの賃金を計算します。除外できる手当を差し引いた金額で計算できます。
計算結果
- 基礎時給
- 1,563円 割増賃金の計算に使う1時間あたりの賃金
- 端数処理前の値
- 1562.5 円 法令上は1円未満を四捨五入できます(切り捨ては不可)
- 割増賃金の基礎となる月給
- 250,000円
- 月平均所定労働時間
- 160 時間
- 時間外1時間あたり(25%増)
- 1,953円
- 法定休日1時間あたり(35%増)
- 2,109円
このツールでできること
月給制の人の「1時間あたりの賃金」を計算します。 この金額が残業代を計算する際の基礎になります。
基礎時給 = (月給 − 除外できる手当) ÷ 月平均所定労働時間
除外できる手当は限定されています
割増賃金の基礎から除外できる手当は、法律で次の7つに限定されています。
- 家族手当
- 通勤手当
- 別居手当
- 子女教育手当
- 住宅手当
- 臨時に支払われた賃金
- 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
名称ではなく実態で判断されます。 たとえば「住宅手当」という名称でも、住宅費用にかかわらず全員に一律で支給されている場合は、 除外できないと解されています。
出力される値の使い方
このツールは、時間外(25%増)と法定休日(35%増)の1時間あたりの単価も同時に表示します。 実際の残業代の計算は残業代の計算で行えます。
計算してみる
月給30万円のうち、通勤手当1万円・家族手当1万円・役職手当2万円が含まれ、 月平均所定労働時間が160時間の場合です。
| 判断 | 金額 | |
|---|---|---|
| 基本給ほか | 基礎に含める | 260,000円 |
| 役職手当 | 含める(職務の対価) | 20,000円 |
| 通勤手当 | 除外できる(実費弁償) | −10,000円 |
| 家族手当 | 除外できる(扶養人数で変動する場合) | −10,000円 |
| 基礎となる賃金 | 280,000円 | |
| 基礎時給 | 280,000 ÷ 160 | 1,750円 |
役職手当を誤って除外すると基礎時給は1,625円になり、 残業1時間あたり約156円、月25時間なら3,900円の差が出ます。
除外できる手当は7つだけです
労働基準法37条5項と施行規則21条により、除外できるのは次のものに限られます。
- 家族手当
- 通勤手当
- 別居手当
- 子女教育手当
- 住宅手当
- 臨時に支払われた賃金
- 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
この7つ以外は、名前が何であれ除外できません。 「調整手当」「業務手当」「営業手当」などは、いずれも基礎に含めます。
さらに、上の7つに当てはまる名称でも、支給実態が伴わなければ除外できません。
| 手当 | 除外できる | 除外できない |
|---|---|---|
| 家族手当 | 扶養人数に応じて変わる | 全員一律1万円 |
| 住宅手当 | 家賃・ローン額に応じて変わる | 持ち家か賃貸かの2区分だけ |
| 通勤手当 | 距離・実費に応じて変わる | 全員一律 |
一律支給のものは「生活補助」ではなく賃金の一部とみなされ、基礎に含めます。
迷ったら含めて計算する
判断が分かれる手当は、含めて計算しておくのが安全です。 含めれば基礎時給が上がり、支払うべき残業代も上がるため、 後から「実は含めるべきだった」と指摘されて不足が生じることを避けられます。
こんなときに使います
- 残業代が正しく計算されているか、基礎時給から検算したいとき
- 給与規程を作るときに、どの手当を基礎に含めるか整理したいとき
- 求人票の月給を時給に直して、複数社を比べたいとき
- 未払い残業代の概算を出す前提として、単価を確定させたいとき
なお、時給制の人には基礎時給の計算は不要です。 契約している時給がそのまま基礎時給になります。 ただし時給制でも、皆勤手当など毎月きまって支払われる手当がある場合は、 それを時間あたりに直して加算する必要があります。
よくある質問
- 住宅手当や役職手当は、除外できますか。
- 除外できるかは名称ではなく**支給の実態**で決まります。住宅手当は、家賃や住宅ローンの額に応じて金額が変わる場合だけ除外でき、全員一律や「持ち家か賃貸か」だけの区分なら除外できません。役職手当は職務に対する対価なので除外できません。判断に迷う手当は**含めて計算する**のが安全です。含めたほうが基礎時給が高くなり、支払うべき残業代も高くなるため、下回るリスクを避けられます。
- 端数はどう処理すればよいですか。
- 基礎時給の円未満は、行政通達により50銭未満を切り捨て、50銭以上を1円に切り上げる処理が認められています。ただしこれは**認められている処理**であって、常に切り捨ててよいという意味ではありません。労働者に不利になる一律の切り捨ては賃金の全額払いに反します。このツールは端数を表示するので、社内の規程に合わせて処理してください。
- 求人票の月給から、複数社の時給を比べたいのですが。
- できます。ただし比較するなら、月給の額だけでなく**月平均所定労働時間**もそろえてください。月給25万円でも、月160時間の会社と月173時間の会社では時給換算で1,563円と1,445円になり、8%の差が出ます。所定労働時間は求人票の「就業時間」と「年間休日」から[月平均所定労働時間の計算](/tools/monthly-work-hours/)で求められます。
計算の根拠
このツールの計算方法は、以下の条文・資料に基づいています。
関連するツール
- 残業代の計算
基礎となる賃金と残業時間から、割増賃金を計算します。月60時間超の50%割増、深夜25%、法定休日35%にそれぞれ対応しています。
- 月平均所定労働時間の計算
年間休日数と1日の所定労働時間から、月平均所定労働時間を計算します。残業代の基礎となる1時間あたりの賃金を求めるのに必要な数値です。
- 最低賃金の充足チェック
時給または月給を時給に換算し、お住まいの地域の最低賃金を満たしているかを判定します。最低賃金額はご自身で入力していただく方式です。
- 時給から年収の計算
時給と週の労働時間から、年収と月収の目安を計算します。賞与や休業週数も加味できます。表示されるのは税・社会保険料の控除前の額面です。
- 昇給額・昇給率の計算
昇給前の金額と昇給額から昇給率を、または昇給率から昇給額を計算します。年間でいくら増えるかもあわせて表示します。
- 賞与の月数と金額の計算
基本給と支給月数から賞与の金額を計算します。逆に、金額から「何か月分」にあたるかを求めることもできます。
最終更新日: