月給が最低賃金を下回っていないか確かめる方法

最低賃金は時給で定められています。月給制の場合にどう換算して比較するのか、比較から除外される手当は何かを整理します。

最低賃金は時給の金額で定められています。 月給制で働いている場合、そのままでは比較できません。

換算の手順

時給換算 = 月給(対象となる賃金のみ) ÷ 月平均所定労働時間

たとえば月給18万円、月平均所定労働時間173時間なら、

180,000 ÷ 173 ≒ 1,040円

この1,040円を、お住まいの都道府県の最低賃金と比べます。

最低賃金の充足チェックでは、 月給と月平均所定労働時間を入れると換算と判定を同時に行います。

比較に含めない賃金があります

ここが見落とされやすい点です。 最低賃金と比較する賃金からは、次のものを除外します。

つまり、総支給額で比較してはいけません。 残業代や通勤手当を含めた金額で「最低賃金を上回っている」と判断すると、 実際には下回っているのに気づけないことがあります。

月給25万円のうち、固定残業代が5万円、通勤手当が1万円という構成であれば、 比較の対象になるのは19万円です。

最低賃金額は毎年変わります

地域別最低賃金は毎年10月頃に改定され、都道府県ごとに金額が異なります。

このサイトの計算ツールが最低賃金額を持たず、 利用者に入力していただく形にしているのはこのためです。 金額表を埋め込むと、更新が遅れたときに誤った判定を表示してしまいます。

最新の金額は厚生労働省のページでご確認ください。

下回っていた場合

最低賃金法により、最低賃金額を下回る賃金を定めた契約はその部分が無効となり、 最低賃金額で契約したものとみなされます。 つまり、差額を請求できます。

また、地域別最低賃金を下回る賃金しか支払わなかった場合、 使用者には50万円以下の罰金が定められています。

まずは給与明細と、就業規則に定められた所定労働時間を確認してください。 そのうえで換算した金額が下回っている場合は、 お近くの労働基準監督署に相談できます。

特定最低賃金について

一部の産業には、地域別最低賃金より高い「特定最低賃金」が設定されています。 該当する産業で働いている場合は、そちらが適用されます。

自分の職場がどちらの対象かは、厚生労働省または都道府県労働局のページで確認できます。

固定残業代が含まれている場合

求人票の「月給25万円」に固定残業代が含まれていることがあります。 この場合、最低賃金との比較で使えるのは固定残業代を除いた金額です。

たとえば「月給25万円(固定残業代45時間分5万円を含む)」なら、比較対象は20万円です。 月平均所定労働時間173時間で割ると約1,156円になります。

固定残業代の内訳が求人票に書かれていない場合、労働条件通知書か就業規則で確認できます。 金額と対応する時間数の両方が明示されていない固定残業代は、 そもそも有効性が争われることがあります。

パート・アルバイトの場合

時給制なら換算の必要はなく、そのまま比較できます。 ただし、次の点に注意してください。

確認の手順

  1. 給与明細を用意する
  2. 賞与・時間外手当・通勤手当・精皆勤手当・家族手当を除いた金額を出す
  3. 就業規則で月平均所定労働時間を確認する(分からなければ年間休日から計算する)
  4. 2を3で割って時給換算する
  5. 厚生労働省のページで、働いている都道府県の最低賃金を確認する
  6. 4と5を比べる

この計算は最低賃金の充足チェックで自動化できます。

この記事は制度の一般的な説明です。個別の事案については、 労働基準監督署または社会保険労務士にご相談ください。

参考にした資料

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